マーモセット脳画像解析

 

g-links's blog

本ブログは,WEBサイト 神経行動解析リンクス (Neurobehavioral Links)

https://sites.google.com/view/behavior100/

の内容に基づいています。

 

マーモセット脳画像解析

 

 

1.  正常マーモセット脳の基本サイズ

1.1.  マーモセットとカニクイザルの脳

 

図1. マーモセット脳は,カニクイザルなどのマカク属サルと比べると当然ながら小さい。しかし,それぞれの体重に対する脳の比率を考えると,マーモセットの脳は,マカク属サルに比べて相対的に極めて大きいといえよう(写真は著者らの実験室で撮影)。 

 

文献:安東潔 (2008) マーモセットを用いた病態モデル:パーキンソン病モデル, マーモセット MR脳アトラス (岡野栄之/野村達次 監修)。 

 

https://sites.google.com/view/behavior100/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E8%A1%8C%E5%8B%95%E8%A7%A3%E6%9E%90%E8%AB%96%E6%96%87

 

 

1.2.  マーモセットと齧歯類の脳

 

図2. マーモセットの脳は,ラットより明らかに大きい。マーモセットの体重は,大きめの成熟ラットと同程度であることを考えると,ここでもマーモセット脳は,相対的には極めて大きいといえよう。図は,脳の水平断面で,上段は脳を上からみたもので,下段は脳を底部からみたものである。マストミス (Mastomys: Mastomys natalensis) は,西アフリカに生息する齧歯類で,ラッサ熱などの感染研究に使用された(脳サンプル採取および写真撮影:田中慎氏ならびに斎藤亮一氏)。 

 

文献:安東潔 (2008) マーモセットを用いた病態モデル:パーキンソン病モデル, マーモセット MR脳アトラス (岡野栄之/野村達次 監修)。https://sites.google.com/view/behavior100/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E8%A1%8C%E5%8B%95%E8%A7%A3%E6%9E%90%E8%AB%96%E6%96%87

 

 

2.  正常マーモセット脳とパーキンソン病

モデルマーモセット脳

 

パーキンソン病モデルマーモセット脳:神経毒 MPTP 皮下投与により作成

MPTP :  1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine

 

 

下記いずれの脳画像も線条体 (Striatum) 内の尾状核 (Caudate)と被殻 (Putamen)が表れる冠状断面

 

2.1.  Tyrosinhydroxilase (TH)

免疫組織染色


図3. 左に示した正常脳のTH 免疫染色では,線条体 (Striatum) のうち尾状核 (Caudate) と被殻 (Putamen) に染色がみられ,ドーパミン(カテコールアミン)神経の分布が示されている。一方,右に示した MPTP処置マーモセットの脳では,線条体での染色がほとんどみられず,神経に変性脱落があったと分かる。冠状断面の脳スライスは,正常脳で線条体に染色が明確に現れる部分について示した(脳標本画像作成:川井健司氏)。

 

文献:

Ando K, Inoue T, Hikishima K, Komaki Y, Kawai K, Inoue R, Nishime C, Nishinaka E, Urano K, Okano H (2020) Measurement of baseline locomotion and other behavioral traits in a common marmoset model of Parkinson's disease established by a single administration regimen of 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine: providing reference data for efficacious preclinical evaluations. Behav Pharmacol 31:45-60.

 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6964884/pdf/bpharm-31-45.pdf

 

 

 

2.2.  オートラジオグラフィーによる

[11C]PE2I リガンド結合

 

 

図4. 左に示した正常脳では,ドーパミン トランスポーターのリガンド [11C] PE2I 結合から,線条体尾状核被殻)のドーパミン神経分布が示されている。右に示した MPTP処置マーモセットの脳では,線条体でのリガンド結合がみられず,ドーパミン神経の変性脱落が示された(脳標本画像作成:前田純氏)。

 

文献:

安東潔 (2008) マーモセットを用いた病態モデル:パーキンソン病モデル, マーモセット MR脳アトラス (岡野栄之/野村達次 監修)。

  https://sites.google.com/view/behavior100/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E8%A1%8C%E5%8B%95%E8%A7%A3%E6%9E%90%E8%AB%96%E6%96%87

 

Ando K, Maeda J, Inaji M, Okauchi T, Obayashi S, Higuchi M, Suhara T, Tanioka Y (2008) Neurobehavioral protection by single dose l-deprenyl against MPTP-induced parkinsonism in common marmosets. Psychopharmacology 195:509-516.

 https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/3505333

 

 

2.3. Magnetic Resonance Imaging (MRI)

による T2強調画像

 

図5. 磁場強度7T の MRI  T2緩和時間強調画像上では,左のマーモセット正常脳と右の MPTP処置マーモセットの脳とで,明らかな違いはみられなかった(MRI測定/画像作成:山田雅之氏)。 また,T2 緩和時間値そのものにも両者に違いは認められなかった。しかし,T1緩和時間値については,MPTP-free脳と比較して,MPTP処置マーモセット脳の線条体に増加が認められた。さらに,MRI によるVoxel Base 解析と拡散テンソル解析のそれぞれで,MPTP-free脳との比較で,MPTP 処置マーモセット測定?脳のドーパミン神経に変性脱落を示唆する変化が認められた。 
 
文献:

Ando K, Inoue T, Hikishima K, Komaki Y, Kawai K, Inoue R, Nishime C, Nishinaka E, Urano K, Okano H (2020) Measurement of baseline locomotion and other behavioral traits in a common marmoset model of Parkinson's disease established by a single administration regimen of 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine: providing reference data for efficacious preclinical evaluations. Behav Pharmacol 31:45-60.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6964884/pdf/bpharm-31-45.pdf 

 

Hikishima K, Ando K, Komaki Y, Kawai K, Yano R, Inoue T, Ito T, Yamada M, Momoshima S, Okano SJ, Okano H (2015) Voxel-based morphometry of the marmoset brain: in vivo detection of volume loss in the substantia nigra of the MPTP-treated Parkinson's disease model. Neuroscience 300:585–592.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26012491/ 

 

Hikishima K, Ando K, Yano R, Kawai K, Komaki Y, Inoue T, Itoh T, Yamada M, Momoshima S, Okano JS, Okano H (2015) Parkinson disease: diffusion MR imaging to detect nigrostriatal pathway loss in a marmoset model treated with 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6- tetrahydropyridine. Radiology 275:430–437.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25602507/


 

2.4.  Positron Emission Tomography (PET) による

リガンド[11C]PE2I 特異結合能

 

図6. 左の正常脳では,線条体尾状核被殻)に [11C]PE2Iの高い特異結合能がみられ,ドーパミン神経の分布が捉えられている。右の MPTP処置マーモセットの脳には,結合能の著しい低下がみられ,ドーパミン神経の変性脱落が示された(PET測定/解析/画像作成:大林茂氏ならびに永井祐司氏)。

 

文献:

Ando K, Obayashi S, Nagai Y, Oh-Nishi A, Minamimoto T, Higuchi M, et al. PET analysis of dopaminergic neurodegeneration in relation to immobility in the MPTP-treated common marmoset, a model for Parkinson's disease. PLoS One. 2012;7:e46371.

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0046371

 

3.  MPTP皮下投与を受けたマーモセットにおける

脳の画像解析値と行動 (Locomotion)との高い相関性

 

図7. MPTP皮下投与を受けたマーモセットでは,パーキンソン病様の主要症候の一つである無動がみられる。これは,個別ケージ内のマーモセットの自発運動量 (Locomotion or Spontaneous motor activity) を長期間にわたり連続測定することで,運動量の低下として客観的定量的に測定できる。この指標値とそのマーモセット脳の PET 測定による [11C]PE2I 特異結合能は,線条体とくに被殻において,左図のごとく高い相関を示した (r=0.97)。また,右図の死後脳のTH免疫染色においても,生存時の Locomotion 低下は,線条体全体の免疫染色面積の減少と高い相関を示した。免疫染色面積の定量化は, NIH Image J によって算出した。このことにより,脳の in vivo 測定結果と in vitro 結果と,更には行動との間に明確な対応がみられたといえる。

 

文献:

Ando K, Obayashi S, Nagai Y, Oh-Nishi A, Minamimoto T, Higuchi M, et al. PET analysis of dopaminergic neurodegeneration in relation to immobility in the MPTP-treated common marmoset, a model for Parkinson's disease. PLoS One. 2012;7:e46371.

https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0046371

 

Ando K, Inoue T, Hikishima K, Komaki Y, Kawai K, Inoue R, Nishime C, Nishinaka E, Urano K, Okano H (2020) Measurement of baseline locomotion and other behavioral traits in a common marmoset model of Parkinson's disease established by a single administration regimen of 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine: providing reference data for efficacious preclinical evaluations. Behav Pharmacol 31:45-60.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6964884/pdf/bpharm-31-45.pdf

 

安東潔 (2018) 神経毒MPTP 投与によるコモンマーモセットのパーキンソン病モデル– 行動解析による前臨床評価を中心として – オベリスク Vol.23,1:14-22。

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/19447809

 

 

マーモセット・ パーキンソン病 モデル

           

g-links's blog

本ブログは,WEBサイト 神経行動解析リンクス (Neurobehavioral Links)

https://sites.google.com/view/behavior100/

の内容に基づいています。

 

コモンマーモセットの

パーキンソン病 (PD) モデル

1. 緒言

神経毒 MPTP  (1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine) を小型サル類コモンマーモセットの皮下などに末梢投与すると,振戦,無動,姿勢保持障害,筋固縮などの行動変化が数ヶ月以上にわたり持続的に観察される。このマーモセットの脳を in vivo (生存のまま) レベルの Positron Emission Tomography (PET) あるいは  in vitro レベル (死後摘出脳)の免疫組織学的方法で,それぞれ検索すると,黒質-線条体ドーパミン神経の変性あるいは脱落がみられている (Ando et al., 2012)。

 

このようなMPTP処置マーモセットは,行動的症候上も,脳の神経変性上も,パーキンソン病 (PD) の病態に極めて類似している。従って,これは PD に関する疾患妥当性の高い実験動物モデルと考えられ,これまでも多くの研究者によって利用されてきた (Jenner and Marsden, 1986, 野元,1995)。MPTP 利用による PDモデルについては,マカク属サル類やリスザルなどでも同様であり,歴史的には,むしろこれらのサル類の方が,マーモセット以上に利用されていたといえる (Langston et al., 1984)。

 

しかしながら,マーモセットの MPTP処置PDモデルには,マカク属サル類とは違った利点が存在すると考えているので,この点を特にクローズアップして,項目別に以下に記載した(安東,2018)。

 

下記 WEB サイト参照

 

 

マーモセットMPTP処置モデルについての著者の和文解説PDFは下記 URL 参照  

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/19447809

 

2.  PD モデル作成のための実験動物種の選択

まず,本課題の前提条件として,MPTP の神経毒性は,ヒトとサル類に発現することを述べておきたい。ラットならびにマウス(一部系統を除く)では,薬物代謝の種差による違いから,当該毒性発現を観察できない。したがって,MPTP による PD モデル作成は,基本的にはサル類が第一選択となる。

 

3.  実験動物としての扱いやすさ

マーモセットは,大型のマカク属サル類に比べて小型であり,攻撃性も少なく,一般的に実験動物としては取り扱いやすい。さらに,MPTPを使用する実験の場合には,たとえば,その投与とその後の動物のケアーなどの過程における MPTP の毒性からの安全性と労力の面に関して,実験者にとってマーモセットの利用には,マカク属サル類に比べて大きな利点があると考えている(上記 WEB サイト参照)。

 

4.  神経毒 MPTP 純末とその溶液の保管,使用,管理

この神経毒は極めて慎重な取り扱いが必要となる。もともとは,ヒトが摂取し,重篤なPD様症候発現がきっかけで,MPTP がサル類を含む実験に使用される様になった経緯を考えれば当然であろう。ただし,その時の薬物乱用者が積極的自発的に MPTP を大量摂取した場合と,実験者が実験場面で MPTPを注意深く慎重に取り扱う場合とは区別して考えるべきである。そうは言っても,実験使用目的での MPTP 純末の保管,その溶液の調製,調製液の保管,調製液の投与,投与後の動物排泄物処理などのプロセスは,実験者の安全のためにも極めて慎重にすべきである。これら一連の手順については,標準操作手順書 (Standard Operating Procedure: SOP) に定めて,これを遵守する必要がある。また,次亜塩素酸ナトリウム溶液は,適切な濃度と時間経過の中で,MPTPの毒性を弱めることが知られており,これを適切に利用することが重要である。

 

5.  安全な MPTP 使用による PDモデル作成

マーモセットの PD モデル作成における MPTP投与手順は多くの試行錯誤を経て確立してきた。MPTPは,生理食塩液など水溶液に溶解させるために, MPTP HCl を購入し,使用する。投与スケジュールは以下の通りである。MPTP を,連続した3日間に,それぞれ 2 mg/kg, 2 mg/kg, 1 mg/kg (マーモセットの症候によっては 3日目も, 2 mg/kg) を皮下に投与する (Ando et al, 2020)。ただし,この用量は,MPTP を base dose として計算したものである。MPTP HCl として塩込みで計算する場合には,それぞれ,上記用量の 1.2倍の MPTP HCl を用いることになる。念のために述べておくと,MPTPは,水溶性のない  MPTP base 純末を入手するのではなく,MPTP HCl を入手する。

 

MPTP投与後のマーモセットには自発的な摂食と摂水が2週間以上にわたり殆どみられなくなる。そこで,水分と栄養の補給,電解質ブドウ糖の補給などを,休日を含めて1日複数回実施する必要がある。この労を惜しむと,マーモセットは衰弱して死亡してしまう。MPTP投与実験を実施する場合には,ここが,最も重要なポイントのひとつとなる。

 

一方,マカク属カニクイザルの場合には,MPTP HCl 1 mg/kg 程度を1回のみ皮下などの末梢に投与して,様子をみる。1 ないし 2 週間ごとの間隔をあけて,同程度の用量のMPTP投与を数ヶ月にわたり反復する。この間には,マーモセットの場合同様に,実験者が1日複数回の栄養補給を休日を含めて実施する必要がある。また,MPTPを含む大量の排泄物処理なども加わり,マーモセット以上の労力と手間がかかる。おまけに,カニクイザルの場合には,MPTPに対する感受性の個体差が,マーモセット以上に大きく,あるサルには,明確な症候発現があるが,他のサルには,同じ投与条件でも何の変化も見られないことがある。また場合によっては,理由が分からずに,急激な身体的衰弱などで突然死亡してしまう頻度がマーモセット以上にある。

 

以上のことから,マーモセットの PDモデル作成には,実験者の安全性,実験実施の効率性,データの信頼性などの面において,マカク属サルを超える利点が存在すると考えている。マーモセットの MPTPに対する感受性の個体間変動の低い理由については,マーモセットが,管理された条件下で多世代にわたり,永年繁殖飼育され,このことで個体間に均質性が保たれていると考えている。そして,これは,データの信頼性にも関わってくる。


6.  MPTP による PD様症候発現とその測定法

PD モデルというからには,MPTP投与後の行動変化が,PD様症候を発現し,それが持続する必要がある。直後には,急性の MPTP毒性効果が発現し,自発的な摂食や摂水がなくなり,マーモセットは衰弱する。これから回復してくる 2週間後くらいから,前記の通り PD様症候としての運動時振戦,姿勢保持障害,筋固縮などがみられる。また,MPTP投与直後の急性毒性や衰弱などにより動かないこととは違った形で,無動もみられる。

 

そこで,これらの PD様症候をどう的確に測定するかという課題が存在する。まずは,症候の全体像をとらえることが必要である。あらかじめ,運動機能などについて項目立てしてある Dysfunction score などにより,熟練した観察者が,MPTP処置マーモセットの症候の有無について,処置前と比べてどう変化したかを観察,記録する (Ando et al, 2008)。このような肉眼による観察記録は,マーモセットの行動を全体的鳥瞰的に把握する上で極めて重要である。医師が PD患者を診断し,投薬などの治療効果を把握する上でも,Unified Parkinson’s Disease Rating Scale (UPDRS),Hoehn and Yahr の重症度分類やその他のスコアを利用していることが参考となる (Yahr, 1993) 。これらのスコア観察は,PD患者の症候を全体的に把握する上でのスタートであり,治療の効果をみる上でのゴールでもあり,極めて重要な観察である。

 

一方,マーモセットの実験では,肉眼観察によるスコアとは別に,マーモセットのPD様症候を客観的定量的に測定することが重要となる。なぜなら,医薬品候補物質や細胞移植などの処置に,症候改善効果が存在するか否かについては,客観的定量的に明確に判定する必要があるからだ。そこで,個別飼育ケージ内のマーモセットについて,運動感知センサーにより,その自発運動量 (Locomotion or Spontaneous Motor Activity) を何ヶ月にもわたり連続的に記録する (Ando et al, 2020)。MPTP投与 1ないし2週間後からの運動低下については,PD様症候の重要な指標の一つである無動の客観的定量的指標となる。薬物や細胞移植などの処置の効果判定において,無動が改善するか否かを一義的かつ鋭敏に捉えることができる点,この指標を利用する大きな理由が存在する (Ando et al, 2008)。

 

振戦なども客観的定量的にコンピュータ画像解析などにより把握できる。しかし,この行動は,自発運動量のように全体的な行動として把握できるものではなく,時としてみられるエピソーディックにして部分的な行動として現れる。それゆえ,振戦の測定だけで,薬物投与や細胞移植など処置の効果を鳥瞰的かつ大局的にとらえるには十分とは言えない。その他の症候である姿勢保持障害,筋固縮などについても,個別に測定した場合には,振戦と同様に部分的側面の観察にとどまるといえよう。しかしながら,これらを的確に客観的かつ定量的に測定把握することは,学問的には重要な研究テーマである。医薬品や細胞移植の効果の有無を一義的に判定することを目的とした前臨床医学研究と学問的な研究とは,研究を進める上で,最終目的が異なり,区別して考える必要があろう。

 

以上により,前臨床医学研究におけるPD モデル マーモセットは,医薬品や細胞移植などの効果を判定するために有用でなければならない。その意味において,PD様症候に関する全体的な症候を肉眼観察によりスコアで把握し,同時に自発運動量をセンサーにより,客観的定量的に把握するのが適切と考えている。これにより,動物実験による科学的基礎的データを,ヒトPD への処置の適否判定のための一つのベースとして提供できると考えている。

 

7.  MPTP による黒質線条体ドーパミン神経変性とその検出法

MPTP 投与による上記の症候発現は,主として脳の黒質線条体ドーパミン神経の変性脱落によると考えられている。実際に,多くの研究において,病理組織学的にも,生化学的にも,神経細胞学的にも神経変性を裏付ける事実がすでに公表されてきた。また,PD モデルサル類における Positron Emission Tomography (PET) などによる in vivo 画像解析によっても,ドーパミン神経変性などが,症候発現と並行してとらえられている(下記 WEB サイト参照)。

 

 

 

前臨床評価研究においても,PD モデル マーモセットを用いて PET 測定を実施した (Ando et al, 2012)。その結果,ドーパミン神経トランスポーターへのリガンド [11C]PE2I の線条体被殻)での結合能と無動の症候指標である自発運動量低下は,r = 0.98 という高相関を示した。このことは,マーモセットの PDモデルにおいて,ドーパミン神経変性と症候発現は,ほとんどパラレルであることを物語っている。また,マーモセット の死後脳については,tyrosinhydroxilase(TH)による組織学的検索でも,MPTP処置マーモセット脳の TH染色部位は著しく減少し,ドーパミン神経を含むカテコールアミン神経が脱落していることがよくわかる。NIH Image J による染色部位の定量化による検索において,線条体の TH 染色面積の減少と症候の運動量減少は,相関があり,その係数は 0.83 あるいは 0.93 であった(上記 WEB サイト参照)。

 

 

医薬品や細胞移植などの前臨床医学研究においては,症候改善とそれの神経学的裏付けが重要であるために,PDモデル マーモセット の神経変性とその保護作用について,定量的に明確にとらえる必要がある。 マーモセット PDモデルは,その症候同様,神経変性についても明確にその脱落と保護作用などを検出できる実験系が完成している。このモデルにおいては,ヒトの PD の症候発現と神経変性の点でも類似性があり,また医薬品開発やその他の治療法に関する前臨床医学研究において有用である点で,神経精神疾患研究領域においては,数少ない疾患妥当性のの高い有用な実験動物モデルといえよう。その理由は,PD モデルが,ヒトとサル類で共通性の高い運動機能障害に関するものだからである。この点において,統合失調症双極性障害などのより高次な脳機能に係る精神疾患などの動物モデルとは異なる点を挙げておく必要があろう。

 

8. 引用文献

Ando K, Inoue T, Hikishima K, Komaki Y, Kawai K, Inoue R, Nishime C, Nishinaka E, Urano K, Okano H (2020) Measurement of baseline locomotion and other behavioral traits in a common marmoset model of Parkinson's disease established by a single administration regimen of 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine: providing reference data for efficacious preclinical evaluations. Behav Pharmacol 31:45-60.

 

Ando K, Maeda J, Inaji M, Okauchi T, Obayashi S, Higuchi M, Suhara T, Tanioka Y (2008) Neurobehavioral protection by single dose l-deprenyl against MPTP-induced parkinsonism in common marmotsets. Psychopharmacology 195:509-516.

 

Ando K, Obayashi S, Nagai Y, Oh-Nishi A, Minamimoto T, Higuchi M, Inoue T, Itoh T, Suhara T (2012) PET analysis of dopaminergic neurodegeneration in relation to immobility in the MPTP-treated common marmoset, a model for Parkinson's disease. PLoS One 7:e46371.

 

Jenner P and Marsden CD. (1986) The actions of 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine in animals as a model of Parkinson's disease. J Neural Transm Suppl 20:11-39.

 

Langston JW, Forno LS, Rebert CS, Irwin I (1984) Selective nigral toxicity after systemic administration of 1-methyl-4-phenyl-1,2,5,6-tetrahydropyrine (MPTP) in the squirrel monkey. Brain Res 292:390-394, 1984.

 

Yahr MD (1993) Parkinson's disease: new approaches to diagnosis and treatment. Acta Neurol Scand Suppl 146:22-25.

 

安東潔 (2018) 神経毒MPTP 投与によるコモンマーモセットのパーキンソン病モデル – 行動解析による前臨床評価を中心として –. オベリスク Vol. 23,1:14-22.

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/19447809

 

野元正弘 (1995) コ モ ン ・マーモ セ ッ ト(小 型 の サ ル)の 薬 理 学 研 究 へ の 応 用. 日薬理誌 (Folia Pharmacol Japan) 106, 11-18.      PDFをダウンロード (6345K)

 

マーモセット: 近年注目を集める重要なサル類実験動物

 

 

g-links's blog

本ブログは,WEBサイト 神経行動解析リンクス (Neurobehavioral Links)

https://sites.google.com/view/behavior100/

の内容に基づいています。

 

 

1. コモンマーモセット

コモンマーモセット (The Common Marmoset: Callithrix jacchus ) は,重要なサル類実験動物として近年注目を集めている。このサルは,その体重が大きめの成熟ラットなみで,サル類として,小型で取り扱いが容易である。さらに,多産であり,実験動物の繁殖という観点からも有利である。また,アカゲザルカニクイザルなどのマカク属サルで懸念される深刻な人獣共通感染症のリスクが少ない。以上のことから,マーモセットは,実験動物としての重要な要件をいくつか備えているといえる(写真は著者撮影)。

 

マーモセットは,もともと南米ブラジルの北東沿岸部の樹木の多い場所に生息している新世界ザルである。身体は小さいが,脳は高度に発達しており,神経精神疾患の前臨床医学研究や神経科学研究 (Neuroscience Studies) での利用に関して,大きな期待が寄せられている。もちろん,身体疾患に関する in vivo 実験医学研究などについても同様といえる。

 

サル類実験動物としてのマーモセットの可能性に,最初に着眼し,実験動物にまで仕上げたのは,公益財団法人 実験動物中央研究所(実中研)の創設者で初代所長の野村達次博士 (1992−2013年) であった。彼は,今から約 50年前の1973年に,最初に 17 匹のマーモセットを,南米から,直接,実中研に輸入した(野村・飯沼:2008)。当時は,実験動物としてのマーモセットについては,何も知られていなかったために,このサルを実験動物として生産し,飼育するための基礎技術や実験技術を,多くの失敗を経て,ゼロから築き上げるほかなかった。さらに,生殖生理を含む生理学,内分泌学,解剖学,血液生化学,病理学などの基礎的学問的知見も並行して集積されていった(野村・飯沼,1991)。なお,このような業務を実際に担当した責任者は,故 谷岡功邦博士であった(谷岡,1999)。

 

当時の実中研には,サル類実験動物として,アカゲザル (Macaca (M) mulatta),カニクイザル (M. fascicularis), ニホンザル (M. fuscata),リスザル (Saimiri sciureus),タマリン (Saguinus oedipus) などが,実験あるいは実験動物としての有用性評価研究に使用されていた。しかし,野村達次所長は,1990年代後半において,実中研として,サル類は全てマーモセット1本でゆくという選択と集中の決断を下した。以後の 2,000年初頭においては,実中研のサル類は,すべてマーモセットのみとなった。

 

それから,四半世紀の歳月を経た現在において,実験動物としてのマーモセットは,世界でも注目されるようになった (Servick,2018)。米国National Institute of Health (NIH) からは,マーモセットの実験動物としての有用性についての白書がネット上に公開され,この実験動物の有用性と将来の展望についての具体的詳細な記載がある (NIH 2019 Marmoset Community White Paper: URL は,下記引用文献の項参照)。下記には,この白書の内容を参考にしつつ,われわれの実体験も含めて,マーモセットの実験動物としての特性,有用可能性/将来性について項目立てで記載した。 

 

2.  マーモセットの実験動物としての特性

2.1.  サイズが小さい

ラット並の大きさということは,飼育/実験室のスペースも小さくて済む。実験動物として取り扱いが容易であり,飼育に必要な飼料類,飼育機材,治療薬を含む薬剤,試験的に合成された高価なテスト化合物などが,10倍以上の体重のアカゲザルなどのマカク属サルに比べて少なくて済み,経済的にも,実際的にも有利である。

 

2.2.  行動特性として性格がおとなしい

攻撃的なマカク属サル類よりは,おとなしく力も弱く,飼育管理ならびに実験使用において扱いやすい。ただし,マーモセットを飼育管理,捕獲,実験に使用する場合などには,取扱者は,消毒,専用衣服着用,皮手袋の使用などを含めた十分な注意が必要である。

 

2.3.  深刻な人獣共通感染症のリスクが少ない

マカク属サルにおいては,ヘルペスBウイルス,マールブルグ熱などの深刻な人獣共通感染症のリスクを無視できない状況があった。マーモセットは,何十年にもわたり,衛生的にも物理環境的にも,コントロールされた室内で,人工的に繁殖飼育されており,上記リスクが少ない。 しかしながら,マーモセットの飼育実験室での取り扱いには,デイスポーザブルの帽子,マスク,つなぎ服,手袋と専用の履物などの着用が必要である。これは,マーモセット とヒトとの双方向の感染症を防ぐためである。また,飼育実験環境は,繁殖時同様,衛生的,物理環境的に管理されていることが重要である。

 

2.4.    繁殖率が高い

繁殖率は実験動物を生産する上で重要な条件となる。マウス/ラットほどではないが,サル類としては多産である。すなわち,1匹の雌マーモセットは,その誕生 2年後から,年 2 回,1 回に 2 あるいは 3 匹の仔を出産する。このことを前提とすると,1 匹の雌が,その 10年間の生涯において,おおよそ  40 匹の仔を出産することになる。これに対して,1 匹のマカク属サルの雌の生涯出産数は,多くて数匹程度である。

 

2.5.    遺伝子改変技術の導入と開発

高繁殖率は遺伝子改変技術の導入に有利である。マーモセットの生殖生理学やマウスの遺伝子改変技術や知識の蓄積を基盤として,ヒト疾患遺伝子の導入やその他の遺伝子改変などがマーモセットで試みられている。

 

2.6.   短いライフスパン

マーモセットの寿命は,最大で 20 年という記録もあるが,通常は 10 年程度である。この範囲だと,個別マーモセットの生涯にわたる追跡研究により,正常の老化や老化にともなう疾患の研究が可能となる。すなわち,研究室での腰を据えた実験計画により,5年の研究プロジェクトを2世代にわたり継続すれば,有意義な当該研究課題データが得られるであろう。疾患としては,アルツハイマー病,認知症パーキンソン病,循環器障害,脳血管障害,高血圧症,がん,2型糖尿病,慢性閉塞性疾患,筋肉変性,変形性関節症,骨粗鬆症白内障黄斑変性症,聴覚障害などがあげられている。

 

2.7.   ヒトと類似性の高い脳の構造

マーモセットの脳の構造,神経ネットワーク,神経機能は,マカク属サル類のそれらと共通しており,ヒトにも近い部分がある。マーモセットには,ラット/マウスにはない前頭前野があり,また高次の運動機能,感覚機能,認知機能(社会的認知を含む) などに関わりを持つと考えられる脳のエリアが存在する。このことから,マーモセットは,ヒトの脳研究に有用な実験動物として期待されている。

 

2.8.   発達した運動機能

マーモセットは,マカク属サル類同様に,運動機能が高度に発達している。例としては,ラット/マウスではとらえにくい四肢の微細運動コントロールが挙げられる。また,マーモセットに神経毒 MPTP (1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine: MPTP) を皮下などに投与した場合には,四肢の振戦などを含むパーキンソン病様症候が詳細に観察できる。MPTP投与前あるいは正常マーモセットと比べると,その運動機能障害は明確となる。それゆえ,マーモセットでは, 新規化合物などについて,この運動機能障害に対する治療効果の有無判定が,極めて容易,かつ鋭敏となる(Ando et al.,  2008, 安東,2018)。この点においても,マーモセットは,マカク属サル類での運動機能障害と,その治療効果有無の判定に関して遜色がないどころか,マカク属サル類の利用を上回るメリットがある。この点に関しては,下記 URL 参照。

https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/19447809

 

 

2.9.   相互コミュニュケーションと社会行動

豊かな顔面の表情変化,音声コミュニケーション,様々な行動表現などが,マーモセットの社会的集団状況で観察される。とくに,マーモセットのカップルや親仔の間の相互行動などには特徴的なものがある。社会的コミュニケーション以外にも,マーモセットは,様々な外部刺激に対しても敏感に反応する。これらは,マーモセットの高度に発達した脳の新皮質(前頭前野,視聴覚野など)などの構造によると考えられ,マーモセットのこの領域での神経科学研究利用に期待が寄せられる。

 

2.2.10.  視聴覚器官の構造と機能

上記に関する行動を支える前提として,高度な視聴覚器官の存在がある。マーモセットの眼球は,相対的に大きく,視覚機能もすぐれている。ただし,ヒトやマカク属サル類なみの色覚があるとはされていない。一方,マーモセットの聴覚については,マカク属サル類なみの周波数-閾値特性関数(フレッチャー・マンソンなどのラウドネス曲線)が得られている。マカク属サル類の特性は,ヒトの聴覚特性に極めて近いとされている。

 

2.2.11. 実験動物としての均質性

上記に挙げたすべての項目の根底にある実験動物としての重要な条件として,マーモセットには生物学的均質性が存在するということがある。実験を実施する場合には,何匹かの動物を利用し,データのばらつきを配慮しつつ,コントロール群と実験群との間に有意な差が存在するかについて統計学的検定を実施して,分析することが常套手段である。この場合には,使用した実験動物が生物学的に均質でないと,実験において,データのばらつきが大きくなり,明確な結論が下せないことがある。

 

実験動物としてのマーモセットは,40年以上にわたり,制御されたクローズドコロニー環境下で,ランダム・ノンインブレッド・システムにより繁殖飼育されてきた。それゆえ,マーモセットを実験で使用することに関して,各個体間には一定の生物学的均質性が保証されており,これは,他のサル類実験用動物と比較して,特筆に値する点といえる。故野村達次博士は,遺伝情報が同じクローンマーモセットの産出,育成,生産についての実現に向けた努力をされていた。これが実現されると,上記の生物学的に均質な実験動物から,さらに前進して,遺伝的,生物学的に同一の実験動物を実験で多数利用できるようになり,その実験科学における意義は極めて大きいといえよう。これもマーモセットを実験動物として,さらに完成させることの今後の重要な課題のひとつと考えている。

 

3. マーモセット神経行動解析研究の先駆者たち

コモンマーモセットが,有用な実験動物として着眼され,その利用実現に向けた始動は,上記のとおり,ほぼ半世紀前の1970年代であった。その後は,ゆっくりとした,あるいは着実なペースで実験動物としての整備と研究が進められてきた。そのスピードが加速されたのは,21世紀になってからであった。そこで,著者の狭い視野内で,2,000年以前に起こったマーモセットの神経行動解析研究に関連したことがらについて,たまたま気がついたことのみを記録に留めておきたいと考えた。

 

まずは,1980年にマーモセットの脳地図が,Stephan Hらによって Springer-Verlag 社から出版されている (Stephan et al., 1980)。これは,マーモセット脳を,主要な部分は,冠状断面を0.5 mm 刻みに分けた標本を作成してある。神経細胞は,cresyl fast violet あるいは gallocyanine により,神経繊維は,iron hematoxyline による染色である。現在,3Dによる高磁場MRIなどや最新の染色技術も含めたマーモセット脳地図が多数出版されているが,上記の脳地図は,それらの先駆けのひとつとして挙げておきたい。

 

マーモセット固有の特性が遺憾なく発揮されている MPTP処置パーキンソン病モデルに関する原著論文は,Jenner らによって,1987年に出版された (Jenner et al., 1987)。さらに,ここの英国 Kings College に留学されていた野元正弘博士は,上記論文の共著者であるが,1995年の日本薬理学雑誌に,マーモセットの薬理学あるいは神経行動解析分野での有用性についてレポートしている(野元,1995)。これは,全文が PDF のかたちで閲覧できる(下記引用文献参照)。

 

また,1997年には,マーモセットを用いたハロペリドールの運動障害について,Fukuoka Tらによって,住友製薬(大日本住友製薬→住友ファーマ)から国際学術誌に原著論文が公表されている (Fukuoka et al., 1997)。

 

これ以外にも記載すべき事項が多数あると思うが,マーモセットの有用性が現在ほど明確には認識されていない時代の神経行動解析に関わる業績について,敬意を表したいと考えて,その一部をここに記載した。

4.  まとめ

以上のとおり,マーモセットには,神経精神疾患基礎研究,神経科学研究, in vivo実験医学研究,前臨床医学研究などと,はば広い領域での有用性が期待されている。これらの研究課題とマーモセットがベストマッチしたときには,その研究の進展が期待できる。しかし,前提としては,この小型サルの効用と限界を的確に見極めてゆくことが重要と考える。

5.  引用文献

Ando K, Inoue T, Hikishima K, Komaki Y, Kawai K, Inoue R, Nishime C, Nishinaka E, Urano K, Okano H (2020) Measurement of baseline locomotion and other behavioral traits in a common marmoset model of Parkinson's disease established by a single administration regimen of 1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine: providing reference data for efficacious preclinical evaluations. Behav Pharmacol 31:45-60.

 

Ando K, Maeda J, Inaji M, Okauchi T, Obayashi S, Higuchi M, Suhara T, Tanioka Y (2008) Neurobehavioral protection by single dose l-deprenyl against MPTP-induced parkinsonism in common marmotsets. Psychopharmacology 195:509-516.

 

Fukuoka T, Nakano M, Kohda A, Okuno Y, Matsuo M (1997) The Common Marmoset (Callithrix jacchus) as a Model for Neuroleptic-Induced Acute Dystonia. Pharmacol Biochem Behav: 58, 947-958.

 

Jenner P, Rose S, Nomoto M, Marsden CD (1987) MPTP-induced parkinsonism in the common marmoset: behavioral and biochemical effects. Adv Neurol 45:183-186.

 

NIH 2019 Marmoset Community White Paper. https://www.marmohub.org/white-papersServick K (2018) U.S. labs clamor for marmosets. Science 362:383-384.

Stephan H, Baron G, Schwerdtdfeger WK (1980) The brain of the common marmoset (Callithrix jacchus) A Stereotaxic Atlas. Springer-Verlag, Berlin Heidelberg New York,

 

安東潔 (2018) 神経毒MPTP 投与によるコモンマーモセットのパーキンソン病モデル– 行動解析による前臨床評価を中心として – オベリスク Vol.23,1:14-22. https://researchmap.jp/read0179769/published_papers/19447809

 

谷岡功邦 (1999) マーモセットの飼育繁殖・実験技術・解剖組織, アドスリー.

 

野村達次・飯沼和正(1991) 6匹のマウスから, 講談社.

 

野村達次・飯沼和正(2008) イン・ビボ実験医学を拓く,慶應義塾大学出版会.

 

野元正弘 (1995) マーモセット(小型のサル)の薬理学研究への応用. 日本薬理学雑誌106:1, 11-18.   PDFをダウンロード (6345K)